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友人を怖がらせる

わたしと友人は朝食の後、天気がいいので近くの国立公園などに行き、友人は海鮮レストランでランチをご馳走してくれた。
レストランで食事など、ボート暮らしを始めてから一度も行っていなかった。というか、そんなことすら頭にないぐらいに毎日ギリギリの生活だった。少し友人とレストランで食事をするというだけで、わたしには最高の贅沢に思えた。
しかも牡蠣などの新鮮な魚介類を堪能して、まるで中流階級の仲間入りをしたような気分にもなれた。
夕方からはまたボートに戻り、友人は缶ビールを飲みながらボート仲間達が戯れている中に、何の偏見もなく溶け込んでいた。
テムズ川に映る美しい夕日を見ながら、ボート仲間達とどうでもいいやりとりをして、友人はその時が最高に楽しかったと言ってくれた。
そうやって言ってくれると、特にわたし事ではないのに、なんだか家族を褒められたみたいに嬉しい気持ちになる。

翌日友人は他の場所に移動のため、その夜が最後の夜だったので、世話になった旦那にビールを12本も買ってくれた。
旦那はすでに自分のためと友人のためのビールを購入していたので、その12本はボートの入口のドアの外の端っこに隠しておいた。冷蔵庫は電気代がかかるので、冬の間冷やせるものはいつもそこに置いておく。外なので、ビールなどはよく冷える。
東京からの客人がよっぽど嬉しかったのか、Wを筆頭にみんな友人の前でバカなことばかりしている。わたし達がボートの中に入ってしまってもまだしつこく騒いでいた。

その夜、わたしと旦那と友人は平和に眠りにつこうとしていた。外ではまだ仲間達が騒いでいる。
少しして騒ぎ声が大きくなってきた。誰かが冬のテムズ川に落ちたらしく、笑い声や叫び声で異常なぐらい騒がしくなった。
友人に声をかけたが、かなりうるさいのに友人は「ちょっと怖いけど大丈夫。」と言ってくれた。
旦那がうるさすぎるから、彼らに言いに行くと言いかけたとき、Wの叫び声が聞こえた。わたし達を呼んでいるらしい。
Wは叫びながら、今度はボートを揺らしてきた。
その時友人はラウンジに一人で寝ていて、ラウンジとわたし達の寝室の間にはキッチンやバスルームがあるので、狭いボートの中とはいえ、一人ぼっちで大波にでも出くわしたかのように揺れるボートの中にいるようなものだった。
そして、Wはよりにもよって、友人が寝ているラウンジの窓を激しく叩きだした。
すぐさま旦那がラウンジに行き、窓越しに「何の用だ!客がここで寝てるんだぞ。あっちに行け!」と怒鳴ると、Wは「川に落ちてタバコが濡れてしまった。タバコくれー!」と叫んだ。
旦那は窓を少し開けて、隙間からタバコ一箱を押し込むようにしてWに渡した。
「もうあっちに行け!これ以上騒ぐな!」と旦那が言うと、Wは騒ぎながらタバコを取って行ってしまった。
わたしも一緒になって、あっちに行けと追いやった。
その後、一応離れたところでW達は遅くまで騒いでいた。
友人は相当びっくりしたらしく、またWが来るのではないかと心配しながら眠ったのだ。

翌日の朝、旦那が外に出ると、入り口に置いておいたビール12本が全部消えていた。わたしと友人がどこに行ったのだろうと話していると、旦那が思いついたようにボートを飛び出し、Wのボートを叩いて彼を呼んだ。
Wは寝ていたが、旦那はお構いなしに彼を叩き起こした。そして、ビールを全部飲んだだろうと問いただした。
わたしと友人は遠くから見守る。
Wが、もう店が閉まっていたからそれを飲んだと言い、今日中に全て買って返すと言った。
旦那、完全にキレる。
「あれは、オレ達の友達が、礼にと言ってオレにプレゼントしてくれたものなんだ!買って返してもらっても意味がないんだ!彼女が買ったビールでなければ意味がないんだ!」
Wは「ビールはビールだろう。何が違うんだ。」と不思議そうな顔をしている。
旦那はとりあえず謝るWに、しつこく文句を言っていた。
友人はわたしに、気にしていないので旦那にそう伝えてくれと言ったが、旦那は友人に申し訳ない思いでいっぱいだったのだ。
今までビールは取られたこともないし、見えないように隠してあったつもりだったが、それを見つけて、しかも全て飲んでしまうW達はハイエナのようで恐ろしい。

友人はすごい体験もしたけど楽しかったと言ってボートを後にした。
わたしに泊まり賃だからと言って、いくらかのお金まで置いていった。
そして、毎日すごい環境の中で暮らしているわたしに同情してくれた。

その日の夕方、Wがビールを12本買って旦那に渡しに来た。Wは昨晩わたしの友人に怖い思いをさせて、ビールまで飲んでしまったことを謝りたいと言った。
でも、もう友人はそこにはいなかった。
友人は久しぶりにWと再開して、Wに大歓迎されたので嬉しかったが、大歓迎の裏にはビールやタバコをくれる人という下心があったのだと思い、本当はがっかりしていたのだ。
Wはわたしに、友人は楽しい思いをして帰っていったのかと聞くので、「怖い思いもしたけど、楽しかったって。」と言うと、そうか、と言って自分のボートに戻って行った。

その日の夜、仲間達は妙に静かだった。二日酔いで疲れていたのか、それとも反省して落ち込んでいるのかは分からないが、静かすぎてそっちの方がわたしは怖かった。
そしてわたしと旦那は、友人に気もお金も使わせてしまって、たった一人の客ですら気持ち良くもてなしてあげれなかったことをいつまでも悔やんだ。

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No title

うーん…、それはお友達は怖かったでしょうね。寝ていて、船が揺れ泥酔した男性が窓を叩くんじゃあ…
でもお友達は、それはおいたとしても楽しい時間を過ごせたようですね!
ビールの件は悔しい思いでしょう。お友達から貰ったっていうのは別ですもんね。Wさんを川にでも突き落として反省させましょう〜笑

あはは〜(≧∇≦)

旦那ちゃんもスカイさんも、そんな落ち込んで居たの?
わたし、すっごい楽しかったよ!
船が揺れたのは、台風かと思った。
冬だからんなわけないけど。

甲板にビール置いといたら、Wさん飲まないの?って聞いたら、
大丈夫だよって二人とも話してたから、
ないー!って2人が怒っていたほうがビックリした!
だから、買うのはぜんぜん気にしてないよ。
レストランで、スカイさんがすごく遠慮していて、
いっぱい取ろうと思ったから、もっとたくさん頼んだらよかったね!
あそこのレストランは、美味しくてサービスもよくて、フランスの店かと思ったよ。
さすがリッチモンド!
楽しかったね!

日本に戻って、Wの話で暫くみんな大笑いしていたよ。
次は、タバコWにあげないで、2人でこっそり楽しんでね〜!
(=´∀`)人(´∀`=)

ちなみに、イギリスのB&Bは、40ポンドするから、旦那ちゃんの美味しい朝食つきなら、2泊で100ポンドくらいは払えばよかったと、逆に後悔したくらいだよ。
まだ発電機もストーブもないとこに押しかけて、こちらこそ世話になったよ( ^ω^ )

Re: No title

本当ですよねー。
できるならWはいつか川に突き落としてみたいですね〜。というか、よく勝手に落ちてますが。。。
友人はそれでも楽しかったようです。よかったです(^-^)

Re: あはは〜(≧∇≦)

ぜんぜん、こちらこそ日本に帰るたびに世話になりっぱなしで。。。
旦那は特におもてなし主義だから、がっかりしてたよ。わたしもしかり。
お金なんて払わなくていいから、また遊びに来てねー。
ちなみにあのレストランはまだあるよ。いつ通っても人がはいってるよ。美味しかったもんね。あれ以来一度も行ってないけど、そのうち行きたいなあ。

初めまして

過去ログから一気に、とても興味深く読ませて頂きましたm(_ _)m私は冬のテントキャンプが好きなので、暖房器具のない冬の寒さは少しは理解できるつもりです。途中の記事では、さぞ寒かろうと心が痛み、まきストーブが購入されたところでは心底ほっとしました。色々不便なところはあるのだろうと思いますが、それ以上に心温まる素敵な環境に思えます。お嬢さんも心豊かに成長されるのではないでしょうか?ところで、湯たんぽはお使いでしたでしょうか?もし使ってなければ、イギリスに送ってあげたいくらいです。翌朝の湯たんぽのほんのり温かいお湯で顔や食器を洗えたり、節水と暖と一石二鳥です!早くスカイさん達がカナルに行けますよう、祈りながらまたブログを拝見させて下さい!
長々と失礼しました^_^;

Re: 初めまして

チーバくんさん、はじめまして。
ブログを読んでくれて、本当にありがとうございます。
湯たんぽは、ボート生活初めてのクリスマスに義母からプレゼントにもらいました。日本で使う氷枕みたいで熱湯を入れるのが怖かったのですが、今は大変重宝しています。
でも、そのお湯で顔を洗ったり、食器を洗ったりは考えてもなかったです。素晴らしい!絶対に参考にさせてもらいます。わたしはただそのお湯をまた鍋で沸かして使いまわしていました。。。。
冬のテントキャンプなんて素敵ですね。冬は夜空もキレイだし、空気も澄んでるし、何しろ気持ちが落ち着くような静けさが好きで、わたしもボートの甲板で時間を過ごしたりします。寒いですけどね(^-^)
読む量が多いブログで飽きることもあるかと思いますが、またこれからも、よろしくお願いします。
プロフィール

スカイ

Author:スカイ
イギリスで旦那と娘3人でボート暮らしをしていた生い立ちを綴っています。
家賃も地方税も無い自由な生活を選んだはずが、なかなか大変なボート暮らし。大好きなお風呂にゆっくりと浸かることができる生活を毎日のように夢見て、早くボート生活から抜け出したいと思いながら結局7年間を費やしてしまいました。
めちゃくちゃなボート仲間達との暮らしも今はいい思い出です。

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