スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

薪ストーブとの格闘

 やっと手に入れた念願の薪ストーブ。
 でもこれがまた大変な代物だった。
 
 休日、わたしは目を覚ましてすぐに薪ストーブに火をつけることにした。今まで旦那が火をつけていたので、わたしがやるのは初めてだ。旦那は朝早くに仕事に行ってしまった。
 まず着火剤に火をつける。石油の匂いが広がって体に悪そうなので、さっさと薪を入れて戸を閉める。小さい薪ストーブなので薪は一つしか入らない。
 ストーブのガラス窓を覗くと燃え上がる火が見える。
 よし。わたしは一仕事終えてコーヒーを作ることにした。コーヒーを飲みながら薪ストーブの火を眺める休日の朝、なんて素敵なんだろう。
 コーヒーを作ってストーブを覗くと、あれ?火が消えている。どうしてだろう?
 わたしは着火剤に火をつけて、またストーブに放り投げる。
 コーヒーを飲み終えた頃にまた火が消えた。。。。。
 わたしはヤケになって、今度は多めに着火剤を入れる。そして薪ストーブの前にしゃがみこんで燃え上がっている火を監視した。しばらくしてまた火が消えてしまった。
 えー!なんで???
 ストーブの中を見ると、少し焦げた薪がドンとある。薪のくせに燃えないの?
 おかしい!旦那がつけると大きな炎をメラメラと上げて燃えるくせに、あたしは薪にバカにされてるとしか思えない!ようし!今度は燃えやすい新聞紙を着火剤と一緒にいっぱい詰め込んだ。それなのに、少しすると火は消えてしまうのだ!ストーブの戸を開けると、新聞紙の燃えカスがストーブの周りや床、わたしの顔に舞い散った。
 何これー!!なんなの!なんでこんなことになるの!?
 わたしは意地になって何度も同じことを繰り返した。薪さえ燃えてくれたらいいのだ。
 気がつくと着火剤を使い果たしてしまい、ストーブに関わってから1時間は軽く越えていた。しゃがんだままのわたしは、足も痺れて、しかも寒くて、イライラとしてきた。
 やめた!!こんなストーブ、もういらん!!
 さっさとボートを出て、隣人のボートに逃げ込んだ。寒くて、あんなところには居られない!
 そして、仕事中の旦那に電話をして、文句の留守電を残してやった。
 隣人はわたしのボートまで来て、ストーブに火をつけてあげると言ってくれたが、わたしは悔しくて、旦那が帰るまであのボートには戻らないと言い張った。

 さて、旦那帰宅。
 彼は子供みたいにスネタわたしを迎えに来て、二人でボートに戻った。
 旦那がストーブの戸を開けて大笑い!そこには真っ黒になった薪の塊がポツンとあって、白くなった新聞紙の燃えカスに埋まっていた。
「どうやって火をつけようとしたんだ?」そう聞く旦那に一部始終を説明する。
 旦那、絶句。。。。
「ストーブの火のつけ方も知らなかったの?」と言った。。。
 知るか!この現代に薪ストーブの使い方を知っている若者が何人いるっていうのか!
「じゃあ、ストーブの中をキレイにして、1から始めよう。まずは、灰を全部掬い取って中を空にしないと、火がついても暖かくならないんだ。」
 旦那はそう言って、スコップで灰をすくう。スコップいっぱいになったのが3回分ぐらい。たくさん灰が詰まっていた。そして、大きい着火剤に火をつけてストーブに入れ、小さい木をたくさん入れた。
「発火しやすいように、燃えやすい木をまずたくさん入れるんだ。これが完全に燃えたら、もう完成に近い。薪をくめて、石炭を入れるんだ。そのあと、戸を完全に閉めないで、火が広がるまで空気を入れてやるんだ。」
 なんと!この行為で大体10から15分はかかった。仕事前の忙しい朝に、こんな面倒なことはやってられない。ボートが暖かくなる前に仕事に行かなくてはいけなくなる。

 面倒なのはこれだけじゃなかった。
 ストーブが小さいので、薪も石炭も少ししかくべることができない。なので燃え尽きるのが早い。1、2時間おきに薪や石炭を補充しないと、ほとんど消えてしまう。
 ボートは煤で黒っぽくなるし、灰を取る作業も怠れない。薪を割る作業も重労働だし、石炭で手がいつも真っ黒だ。
 家に薪ストーブを取り付けたいと思う人は、少し考えた方がいいかもしれない。灯油代が上がれば石炭の値段も上がるし、薪や着火剤などもバカにならない。

 わたしは年々、薪ストーブが嫌いになっていた。できれば、指一本か何か簡単な作業でストーブをつけたいと思うようになっていた。娘が産まれてからは、なおさらだった。狭いボートに薪ストーブは危険だし、空気も良くない。なにせ娘に何かあったり、泣いたときなどは、灰と石炭で黒くなった手のまま抱き上げることはできないし、作業の途中で手を洗うと、ボート生活で節約重要な貴重な水をムダに使ってしまうことになる。
 なんだかややこしいが、とにかく薪ストーブは重要な代物だが、手間と時間をとるのだ。

 ある日、わたしの友人が訪ねてきた。そして薪ストーブを見て言った。
「素敵!こうやって自然の木が燃えるにおいと、この火を見てると、すごく癒されるなあ。」

 わたしはその夜、その友人の言葉を思い出して火を眺めた。
 あれ、本当だ。癒されてるかは分からないけど、ゆっくりと燃え上がる火を眺めていると、なんだか落ち着く。
 旦那がわたしの横でビールを飲みながらテレビを見て笑っている。小さい娘が床に座っておもちゃで遊んでいる。この薪ストーブがなかったら寒すぎて、こうやってくつろぐこともできない。
「ストーブあったかいね。」
 わたしが旦那に言うと、旦那は言った。
「このストーブはオレ達が買った色々なもののなかでも、最高の買い物だよな。」

 そうだね。本当にその通りだよ。
 大事な薪ストーブを嫌になっていた自分が子供じみている気がしてきた。

 ごめんよ、薪ストーブ。。。この冬もまたよろしくね。
 
 

 

 

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

スカイ

Author:スカイ
イギリスで旦那と娘3人でボート暮らしをしていた生い立ちを綴っています。
家賃も地方税も無い自由な生活を選んだはずが、なかなか大変なボート暮らし。大好きなお風呂にゆっくりと浸かることができる生活を毎日のように夢見て、早くボート生活から抜け出したいと思いながら結局7年間を費やしてしまいました。
めちゃくちゃなボート仲間達との暮らしも今はいい思い出です。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
フリーエリア
にほんブログ村 家族ブログ 貧乏家族へ
にほんブログ村 こんな貧乏家族も にほんブログ村 子育てブログへ
にほんブログ村 色々な子育て満載
広告
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。