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取材が怖くて外に出れない日々

ブログを見にきてくれてる皆さま、楽しいクリスマスを過ごしたでしょうか?
今年もこの月はバタバタと忙しかったのですが、おかげさまで旦那のお父さんのところで、旦那兄弟、家族で平和なクリスマスを過ごすことができました。
娘はサンタが来てくれて、いとこ達とも遊べ、楽しいクリスマスを過ごしたようです。
明日にはロンドンに帰る予定です。
今年も残り少し。あと一回は更新したいので、もう少しお付き合い下さい。

では、ブログの続きです。


車の事故にあってから数週間後、保険金が下りてきた。車が廃車になったので、その車の購入額分が下りてきた。
思ったよりも多くお金が入ってきたので旦那はびっくりして保険会社に確認の電話を入れたほどだった。
その保険金で念願のボートのローン返済を終わらせることができた。その上、小さな中古の車まで買うことができた。
なんだか今まで辛いことを乗り切ってきた甲斐があった。
ローンさえ返済してしまえば貯金ができる。これでやっとボート生活脱出の日も夢ではなくなった。
あと数ヶ月貯金すれば敷金など引っ越し代がたまる。冬前には引っ越すことができるかもしれない。
そんなときに、お役所がまた警告書を各ボートに貼って回った。国がロンドンの全運河とテムズ川の停滞期間の統一に同意したので、近いうちに法律が変わり、コミュニティの場所も役所の管理下になることが決まったというものだった。
ボート仲間達は皆これからのことが心配になった。
停滞場所はなかなかみつからないうえに、高い。今でもギリギリの生活なのに場所代にライセンス、地方税などを払っていたら、もう生きて行けない。
わたし達も同じだった。ローンを払い終わって、やっと引っ越しに向けて 貯金を始めようというところなのだ。せめてあと4ヶ月はボート暮らしをする必要があった。
それに娘の学校が決まったばかりなのに、これから一体どこに行けと言うのだ。
地域の新聞は「地域住民の勝利」と題して、景色を乱すボートジプシー達を自分たちの土地から追い出す日も近い、などと書き立てた。
ロンドン中心部やその周辺でもわたし達のように同じ場所に居座ってコミュニティになっているボート生活者がたくさんいて、その全ての場所を規制することになり、このニュースは地域だけではなく、ロンドンと全国版のニュースで報道された。
わたしはテレビやネットで初めてわたし達のように子供連れでボート暮らしをしている人達が意外に多いということを知った。
これまで平和に運営されていたボート生活者のソーシャルネットワークには色々な情報や意見が溢れ、会員数も一気に増えた。
わたし達のコミュニティにも毎日のように取材を要求してくる人や、カメラマンなどが出没しだした。その度にボート仲間達はボートにこもってしまう。下手に取材に応じて、またありもしないようなことを書かれたり、テレビに出てしまうことを避けるためだ。
わたしは娘が学校に入学する前に問題を起こしたくなかった。それでなくても、イギリス人の中で外国人のわたしは目立つのだから。
わたしは外に出るのがだんだん怖くなってきていた。
ボートで子育てをしているのがよっぽど気にかかるのか、娘を連れて少しでも外に出るたびに取材者に捕まったり、待ち伏せされたりして、酷いときは若い女性のジャーナリストが、自分も子供がいるから気持ちが分かる、辛い思いをしているでしょう、などと言いながら同情作戦で付きまとってきたりした。
あまりにも彼女がしつこいのでわたしがうんざりしていると、旦那が「彼女は本当に力になってあげたいと思っているかもしれないし、少しぐらい話をしてもいいんじゃないか?」と言うので、撮影禁止での取材ならと承諾したら、話しがいつの間にかわたし達の生活をドキュメンタリーで放送したいという展開になり、旦那が慌ててそれを阻止するはめになった。
そして同時期、ブログをしているせいもあってか、日本からも取材の依頼が来たりして、わたしは情報という全ての分野が本当に怖くなった。
ドキュメンタリーなんかでのんきにわたし達の生活を紹介するほどの余裕もなかったし、娘がボートで暮らしているということで、学校でイヤな思いをすることがあるかもしれないと酷く心配した。
それほどわたし達はテレビでも新聞でも悪者、邪魔者扱いされていたのだ。
取材陣から隠れて暮らしているのはわたしだけではなかった。他のボート仲間達もテレビや新聞の取材者が現れるたびにボートに引きこもった。
テレビや新聞に出て自分たちの意見を主張したとしても、法律はボート住民達に不利なように変わるのだから。わたしがメディアに出れば、状況をもっと煽ってしまうことになる。

ボート仲間達が楽しみにしている夏がもうそこまで来ていた。
いつもなら仲間達が川沿いで寛いだり、バーベキューをしたりするのに、外にはほとんど誰も出なくなってしまった。下手に外に出たらすぐに写真を撮られてしまうのだから。
わたし達がおとなしくしているのをいいことに、隠し撮りした写真などが新聞に載せられ、終いにはわたし達のボート「ダイアモンド」がまるでコミュニティの中心であるかのようにデカデカと新聞に載り、まだしつこく居座っているなどと書かれた。
しかも、ちょうど旦那がゴミを捨てに行こうとゴミ袋をボートの外に置き、一瞬ボートの中に入った瞬間を撮られたらしく、新聞には「ゴミを外に置きっぱなしにして自然を乱す行為をしている」などとまで書かれた。
もお、これじゃあボートの価値も下がってボート売れないんじゃあ、とわたし達は心配した。

ボート仲間のうちの一組のカップルがお役所宛に抗議の手紙を書いた。
彼らは飲食店で仕事をしていて、世の中には色々な仕事があり、全ての人達が高収入を得ているわけではない。それなのに世の中は低収入者達が住み辛いシステムになっているし、今自分たちのがこの場所を追われたら、場所代も家賃も高くて暮らしていけない。法律を変える前にせめて安いコストで暮らせるような停滞場所をもう少し増やして欲しい、という内容だった。
これを書くために彼らは試行錯誤し、法律の知識がある仲間に相談したり、仲間達の意見を取り入れたりと時間をかけた。わたしもその手紙を見せてもらい彼らに意見を求められたが、いやいや、内容は完璧で、わたしが意見する隙間はひとつもなかった。
ボート仲間達はこの手紙に少しの望みを託した。
手紙は読まれたのか破棄されたのかはわからないが、お役所からは何の返事も来なかった。
わたし達は皆、努力することをやめた。これからどうなるか誰もわからなかったし、何もできなかった。
そして、法律が完全に変わってしまうまで誰もコミュニティの場所を動こうとはしなかった。

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No title

報道って割りに屈曲されてますよね。本当に起きていることを報道しなかったり、一方的な報道、片一方だけの意見を流すなど。スカイさんの記事読んで、この地域住民の方達は情けないと思う。こういう人達に限ってクリスチャンとのたまうんですよね…嘘だろ…慈悲はどうしたと言いたい。
とにかく!今年のクリスマス楽しめたようですね!良かった。

Re: No title

Junebugさん、その通りです。
ジャーナリストの中には、ボート住民寄りの記事を書いてくれる人もいたんですが、報道では勝手に居座っているこっちが悪いっていう方が多かったので、わたし達は誰も信じてませんでした。
それにしても、分かってますねえ。その地域住民、本当にクリスチャンが多かったんです。教会系列の学校に娘が入ってから分かったんです!しかも、教会に毎週行ってない人達を無視するような人達です。ほとんどが年寄り世代ですが。
理解ある人ももちろんいますが、考え方が偏ってる人って、意外に多いもんですね。
プロフィール

スカイ

Author:スカイ
イギリスで旦那と娘3人でボート暮らしをしていた生い立ちを綴っています。
家賃も地方税も無い自由な生活を選んだはずが、なかなか大変なボート暮らし。大好きなお風呂にゆっくりと浸かることができる生活を毎日のように夢見て、早くボート生活から抜け出したいと思いながら結局7年間を費やしてしまいました。
めちゃくちゃなボート仲間達との暮らしも今はいい思い出です。

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