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生活が厳しくなっていく

2012年11月、ボート生活を始めてから5度目の冬がやってきた。川の水が増し、流れも速くなるので頻繁にボートを動かすことができなくなる。月に一度水を補充してトイレを汲み取ることができるか出来ないかなので、夏よりもセーブしてやっていかなければいけない。そんな厳しい冬が始まってすぐに、酷いニュースが飛び込んできた。
わたし達がいつも利用している供給所が11月中旬から3月まで工事のために水門ごと閉鎖すると言うのだ。
水門が使えなければ、その先にも行けない。反対方面は流れがもっと早いし、冬は水門さえ開けられない日がほとんどだから、わたし達ボート生活者は約4ヶ月間、水も無くトイレも汲み取れないということになる。
冬の間だけでも工事する水門の向こう側に移動するしか方法がなかったが、行ったところで停滞場所がないのだから、行っても意味がないのと、わたしと旦那が仕事に行くのに時間も交通費も倍になってしまうので、この案にはムリがあった。
と言うことで、わたし達は4ヶ月間、水無しトイレ汲み取り無しで過ごさなければいけなくなった。
なんと恐ろしい。。。
わたしと旦那、ボート仲間達総出で、水門が閉鎖される前日ギリギリに水を補充してトイレをキレイにしに行った。
予備のタンクも3つ購入して、旦那はポータブルトイレも購入した。これで週に一度、旦那が車で30分先の破棄場まで捨てに行き、水は旦那が毎日こっそりと職場のキッチンから汲んで来る。それでなんとか3月まで持ちそうだ。
と言うか、汚物を車で捨てに行ったり、こっそり水持って来たりとか、一体どんな生活なんだか。。。。

なんとか乗り切れそうだと思ったが、思っていたよりも過酷だった。クリスマス、正月休みが入ったせいで、旦那は職場が休みになり水を持って来ることができなくなった。
暗くなるとこっそりと公園などから水を汲んできたりして、旦那は重いタンクを毎日担ぐのにうんざりしてきて、更に週に一度と言えども、トイレの汚物を捨てに行くのもイヤになっていた。それプラス毎日の薪割りと木や石炭の調達、コインランドリー。やることが多い。
わたしも水やトイレをセーブして暮らすのに飽きてきた。
寒い冬にゆっくりとお風呂に浸かることばかり夢見て毎日を過ごした。

ボート仲間達は日に日にみすぼらしくなっていく。薪ストーブのせいで、さらに薄汚れていく。彼らは春が来るまでシャワーを浴びなくてもいいと思っているようだ。いつもキレイにしているのは、親分のPと彼のパートナー、そしてかろうじてわたし達家族だけだった。
彼らはトイレも近くのレジャー施設に走って行く。ちなみにこのレジャー施設、ビール1本分の値段でシャワーが浴びれる。シャワーよりもお酒が大事なのか。。。と思うと、同じボート仲間ながら、思考回路がさっぱりわからない。
わたしは2、3日頭を洗わないと頭が重い気がして元気がなくなるのに、彼らは元気だ。もう、汚いというのが普通の感覚になっているのだろう。。。。
そして彼らは、燃料費を節約するために皆で焚き火をして冬を乗り切り、水がないので色んなところから調達してきたりしてその冬を乗り切った。
こんな状態なので、もちろん近所の住民達からもっと嫌われ、攻撃されるようになり、わたし達ボート住民はいつのまにかローカル新聞の記事の常連になってしまった。
こうなったらお役所さんも黙っているわけには行かず、春になったら立ち退けという警告をまた出さなければいけなくなった。
それでも、わたし達が停滞している場所は法律的にはお役所の管理下にないので、法律が変わるまで役所からの警告は無意味なものだった。
わたし達ボート住民は、なぜここまでしてこうやってコミュニティーでボート暮らしを続けているのか、誰もわからない。彼らは好きな生き方をしているんだと主張するわりには、お金があったら豪邸に住みたいなどと言う。本当は、ボート暮らしの他に選択はないのだと思う。
わたしと旦那もそうだった。せめてボートのローンが終わるまでは、ボート生活をし続けるしかないのだ。
氷点下の寒い朝にボート仲間が1人でも外に出てこなかったら、凍死したのではないかと心配して様子を見に行ったり、わざわざレジャー施設まで行ってトイレをかりたり、シャワーを浴びるのを我慢したりして生活しているなど、すぐ目の前に住んでいる地域住民は想像もつかないだろう。
先祖代々から同じ家に住んで、小さな頃から慣れ親しんだ自然と川をボート住民達に邪魔されて不快な思いをしている住民達の気持ちはよく分かるが、向こうはとうていこちら側の気持ちは分からないだろう。

どうにもできないまま、わたし達は皆、何か大きい変化が起きるまでボートで暮らしていくしかなかった。たとえ水が無くてトイレが使えなくなったとしても、そうやって暮らして行くしかないのだ。
わたしはこの時の冬が永遠に続くのではないかと思うぐらい長く感じた。冬が終わったとしても、短い夏が終わるとまた冬が来る。地域住民の力で法律が変わったら、次の冬が来る前にここを立ち退かなければいけなくなる。
そうなったら、わたし達は皆、行き場を失ってしまう。
厳しい生活の中で先が見えないまま、ボート仲間達の結束だけが強くなっていった。
そこしずつ何かが変わり始めていた。

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No title

うーん、厳しい、過酷な生活ですね。娘ちゃんはそんな中でも歌ってたのでしょうか?(笑) 4ヶ月もそういった暮らしをしていると気分が落ちていきそうですね。旦那さんの気持ちも分かるなあ。冬だから余計でしょうかね…だからボート仲間の結束も強まったのかな。地域の方達と揉め事にならなければ良いけど。

Re: No title

あの冬は本当に過酷な4ヶ月でした。娘だけが何も知らずにいつも歌ってハッピーだったんですよー(笑)
このあたりから、ボート生活者たちの生活が色んな意味で大変になっていったのかなあと思います。これからどんどん重くなって行きそうですが、めげないで応援してくださいねー。

No title

 初めまして。最近、ロンドンの家賃の高さを耳にしてネットで確認していたところ、こちらのブログにたどり着き、一気読みしました。
 中に人が暮らしているボートを見たことがあるのですが、給水やトイレはどうしているのだろう?と思っていたので、それがわかって良かったですし、ボート所有はお金持ちが趣味でやっているのみ、という思い込みが覆されました。
 現在スカイさんがリラックスできる場所にお住まいなのか、先が気になります。更新を楽しみにしています。

Re: No title

初めましてmmさん。ブログを読んでくれてありがとうございます。
ロンドンの家賃は高いですよねー。家賃どころか、物価が全般的に高いですよね。困っちゃいます、本当に。
ボート生活も場所代や燃料費などで高くつくこともあります。
わたしもボートのことを詳しく知る前は、お金持ちが趣味でとか、定年退職後の娯楽でとか思ってました。
確かにそんな感じの人もいますが、わたし達のような家族もなかなか多いです。
わたしのブログでmmさんにボート生活のことを伝えられて嬉しいです。
これからもまだまだ先まで長いですが、よろしくお願いします。
プロフィール

スカイ

Author:スカイ
イギリスで旦那と娘3人でボート暮らしをしていた生い立ちを綴っています。
家賃も地方税も無い自由な生活を選んだはずが、なかなか大変なボート暮らし。大好きなお風呂にゆっくりと浸かることができる生活を毎日のように夢見て、早くボート生活から抜け出したいと思いながら結局7年間を費やしてしまいました。
めちゃくちゃなボート仲間達との暮らしも今はいい思い出です。

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